デザートワインって何?飲んでみたいけど、美味しいの?
このように感じている方へ、この記事ではデザートワインの特徴や種類、美味しく飲むための方法などを解説します。
デザートワインは甘口で、あまりワインを飲み慣れていない方でも楽しめるでしょう。
また、おすすめのデザートワインも紹介しますので、気になった方はぜひ飲んでみてください。

デザートワイン(甘口ワイン)とは
一般的にデザートワインとは、甘口のワインを意味する言葉として使われます。
甘口ワインと言っても、甘さが控えめなものから濃厚なものまでさまざま。そのため「どんな甘さのワインがデザートワインか」という基準はありません。
デザートワインに共通する点があるとしたら「ワインを造る過程でブドウの糖度を残し、甘くなるように仕上げているかどうか」でしょう。
ワインを甘口にする方法

ワインを甘口にする方法には、主に次の2つがあります。
デザートワイン(甘口ワイン)は、ここで紹介する方法で造られたワインだとお考えください。
- 果汁(ブドウ)の糖度を上げる
- アルコールの発酵を止める
果汁(ブドウ)の糖度を上げる
使用する果汁(ブドウ)の糖度が上がれば、その分ワインの甘さも上がります。つまり、糖度の高いブドウを使っているワインほど甘くなりやすいということです。
アルコールの発酵を止める
アルコールの発酵によってブドウの糖度が全て消化されると、辛口のワインになります。この発酵を途中で止めることでも甘口のワインが造れます。
発酵を止める方法は、
- 冷やす
- 度数の高いお酒を加える(ブランデーなど)
- 二酸化硫黄を加える
など。
しかし、これらの方法で発酵を止めたとしても、糖度が残っているワインはとても不安定な状態です。ボトルの中で発酵が進んでしまうこともあります。
その結果、味わいが変わることが考えられます。細かいフィルターに通して微生物を完全に取り除いたり、再発酵防止の保存料を添加したり、二酸化硫黄を多めに加えたりといった対策も欠かせません。
デザートワインの種類

デザートワインは、主に次の4種類があります。それぞれ造り方が異なる分、味にも違いがあるため、選ぶときは本記事の内容を参考にしてください。
- 貴腐ワイン
- アイスワイン
- 干しぶどうワイン(ストローワイン)
- 遅摘みワイン
貴腐ワイン
貴腐ワインは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が付着したブドウを使って造られる、極甘口ワインのことです。
貴腐菌は成熟したブドウの果皮に付着し、皮を保護している蝋質(ろうしつ)を溶かします。溶けた部分からブドウの水分が蒸発していくことで、果汁が濃縮された甘いブドウになるのです。
貴腐ワインに使うブドウを育てるのはとても難しいとされています。というのも、貴腐菌は限られた状況でしか育たず、条件を満たさない環境では『灰色カビ病』という病気をもたらす菌になってしまうためです。
それだけ作るのが難しい貴腐ワイン。最上級のものはブドウ樹1本からグラス1杯分しかできないとも言われるほど、貴重で高価な場合があります。
アイスワイン
アイスワインは、木に実ったまま凍ったブドウをそのまま収穫し、造られる甘口のワインです。
寒冷地で育った、寒さに強い品種のブドウが原料になります。寒さによってブドウの水分は凍ってしまうものの、そのほかのエキスは凍らず甘さが集まるため、甘味の強いブドウができ上がるのです。
アイスワインはとても貴重で、値段も高め。その理由としては、寒い地域で育つブドウを使わないといけないことや、ブドウの収穫が冬でないとができないことなどがあります。また、最近の地球温暖化の影響でアイスワインの生産が難しくなっている地域があることも影響しています。
アイスワインはブドウを過度に熟成させず収穫するため、甘さの中に酸味も感じられるでしょう。すっきりとした味わいが特徴で、初心者の方でも飲みやすいワインです。
干しぶどうワイン(ストローワイン)
干しぶどうワイン(ストローワイン)はその名の通り、干しぶどうを使って造るワインです。
ストローは「藁(わら)」のことで、収穫したブドウを藁の上で干すことから、ストローワインと呼ばれるようになったと言われています。
乾燥して水分が蒸発したブドウは甘味が凝縮されます。そのため、干しぶどうを使ったワインは甘口になりやすいです。
また、干しぶどうは糖度が高いことから、醸造するとアルコール度数の高いワインになります。
遅摘みワイン
遅摘みワインは、収穫時期を遅らせたブドウを使って造られるワインです。ブドウは熟すほど水分が蒸発し、糖度が高くなります。
フランス、チリ、ドイツ、ニュージーランド、そして日本など、世界各国で生産されています。
デザートワインを美味しく飲むには?

デザートワインを美味しく飲むためには、まず温度に注目してみてください。デザートワインを温度の高いところで保存しておくと、どっしり重い口当たりになってしまうことがあります。
どちらかというと、冷やしておいた方が酸味が強く感じられ、美味しく飲めるでしょう。大体7℃くらいを目安にしてみてください。
飲むタイミングは食前・食後どちらでもおすすめ。その名の通りデザートと一緒に飲むことも多いです。
ワインはボトルの栓を開けた後、早めに飲み切る方が美味しく味わえます。しかし、デザートワインは1ヶ月ほど風味が保たれると言われています。開栓した後もボトルにフタをして冷やしながら、長い間楽しむことが可能です。
おすすめのデザートワイン4選
最後に、おすすめのデザートワイン4つを紹介します。
「この記事を読んでデザートワインを飲んでみたくなった」「どれが美味しいかよく分からない」という方は、ぜひこの4つをお試しください。
氷果の雫 ナイヤガラ 白

『氷果の雫 ナイヤガラ 白』は、日本産の極甘口の白ワインで、アルコール度数は8 % 。さっぱりとした口当たりと甘さで、とても飲みやすく感じられるワインです。
初めてワインを飲む方でも、美味しく味わえるのではないでしょうか。
ドメーヌ・タリケ プルミエール・グリヴェ

『ドメーヌ・タリケ プルミエール・グリヴェ』は、極甘口の白ワインです。少し冷やして、8〜10 ℃ ほどで飲むのがおすすめ。デザートと一緒に楽しむとより美味しく感じられるでしょう。
カベルネ アイスワイン

『カベルネ アイスワイン』は、カナダ産の極甘口の白ワインです。貴重なアイスワインの1つで、値段は高いですが、味は確か!ブドウの果汁そのものの甘さを実感できる、濃厚なワインです。
M.シャプティエ ビラ オー バニュルス リマージュ

『M.シャプティエ ビラ オー バニュルス リマージュ』は、極甘口の赤ワインです。デザートワインは冷やすと美味しく飲めると伝えましたが、このワインは少し温かい場所で保存しておくのがおすすめ。15℃前後がいいでしょう。チョコレートやチーズなど、味の濃いデザートに合うワインです。
初めてのワインは甘口がおすすめ!
初めてワインを飲む方や、あまり飲み慣れていない方は、まず甘口のワインから挑戦してみるのがおすすめです。
ワイン独特の渋みが少なく、飲みやすく感じるものが多いと思います。
またアルコールの強さや、赤ワインを飲む場合はボディにも注目です。アルコールは低いものにし「ライトボディ」か「ミディアムボディ」の赤ワインを選ぶともっと飲みやすいでしょう。
ワインを選ぶときの参考にしてください。
ワインのアルコール度数と赤ワインのボディについては、こちらの記事で解説しています。

