「テロワール」は主にワイン業界で使われる用語で、ブドウが育った土地の特徴を指す言葉として使われます。
テロワールにはハッキリとした定義が無いため「掴みどころのない言葉」というイメージを持たれがちですが、業界での共通認識のようなものは形成されています。
本記事ではテロワールの意味や使い方、テロワールが反映されやすいワイン用ぶどう品種について解説しています。
テロワールとは
テロワール(Terroir)とは主にワイン用ブドウの品種における、生育地の地理や気候による特徴を示す言葉です。
本章ではテロワールの語源と意味、テロワールの要素や言葉としての使い方を紹介します。
語源と意味

テロワール(Terroir)は「土地」を意味するフランス語「terre」から派生した言葉です。
terreには土地の他に下記のような意味があります。
- 陸、陸地
- 地面
- 土、土壌
- 世界
フランス語以外のヨーロッパ言語にテロワール(Terroir)に該当する単語はないといわれています。
テロワールを構成する要素

テロワールは主に以下の要素から構成されます。
- 土壌:どのような地層か、水はけの良さなど
- 地形:標高や傾斜など
- 気候:気温、降雨量、湿度、風向きなど
テロワールの要素に明確な定義はありませんが、主に上記のような要素によって構成されています。
テロワールの要素のうち例えば気温には、高いと糖度も高くなりやすく、逆に低いと酸味が強くなりやすいといった特徴があります。
使い方

「テロワール」という言葉を日常で使う場合、どのように使ったら良いのでしょうか。
例えばワインを飲んだときに、その土地ならではの味の特徴を感じた場合に「テロワールを感じる」といった使い方ができます。
また、同じ品種で産地の違うワインを飲み比べるときに「テロワールを楽しむ」といった使い方ができるでしょう。
ただし、テロワールという言葉に定義がないうえ「土地だけが違うワイン」というのも存在しないため、人によっては「テロワール」という表現自体を嫌っていることもあるので注意が必要です。
ワインはテロワールに影響されやすい
ワイン業界でテロワールが重視されるのは、ワインがテロワールの影響を受けやすいという理由があるからです。
日本酒やビールの製造工程では、原料である米や大麦を酵母で糖分に変え、その糖分を発酵させます。
一方ワインは原料であるブドウの糖分を発酵させるため、素材の特徴がワインの出来に反映されやすいといわれています。
上記のような背景もあり、「テロワール」はもっぱらワインを語る際に使われる用語として知られています。
テロワールが反映されやすいブドウ品種
テロワールの影響の受けやすさは、ワイン用ブドウ品種により異なります。
テロワールが反映されやすいといわれている主な品種と特徴は以下の通りです。
- ピノ・ノワール:ブルゴーニュ産は繊細で上品、ニュージーランド産はフルーティなど
- リースリング:ドイツ産は甘口ですっきり、フランス・アルザス産は辛口でしっかりとした果実味など
- シャルドネ:冷涼な地域では柑橘系の香りとスッキリとした酸味、温暖な地域ではトロピカルフルーツのような香りと濃厚な味わいなど
ワインの味に影響を与える要素は土地以外にも無数にありますが、テロワールを反映しやすい品種というものがあり、業界の共通認識となっています。
一方カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロはテロワールの影響を受けにくい品種といわれていますが、生産者にとっては本家ボルドーの味に近づけやすいという点でメリットのある品種ともいえるでしょう。
とはいえチリのカベルネ・ソーヴィニヨンが「チリカベ」と呼ばれるほどブームになったり、「アルゼンチンといえばマルベック」と評されたりするように、土地と品種には深い結びつきがあるといえます。

ワイン以外でも使われる「テロワール」
「テロワール」という言葉は、以下のようにワイン業界以外でも使われるようになってきました。
- コーヒー
- お茶
- 日本酒
- ビール
サッポロビールが「ヱビス ホップテロワール」という商品を発売したり、東北農政局が「東北・日本酒テロワール・プロジェクト」という取り組みを行ったりと、プレミアム感の演出や地域発信に絡めて使われることが多いようです。
ドラマのタイトルにも
「テロワール」は韓国ドラマのタイトルにも使われています。
「テロワール」はワインレストラン『テロワール』を舞台に繰り広げられるラブロマンスで、2008年に放映されました。
韓国伝統酒との対比、フランスワイン文化についても触れる内容の本格ワインドラマです。
参考:テロワール|番組詳細|韓流No.1 チャンネル-KNTV
テロワールとは まとめ
本記事ではワインで使われる「テロワール」について解説しました。
ワインの特徴を決める要素はテロワール以外にも沢山ありますが、ワインを語る上で「テロワール」という概念は欠かせません。
日常生活で「テロワール」と口にする機会は少ないかもしれませんが、ワインを飲むときにテロワールを意識するとより楽しめるようになるでしょう。