近年、ニュージーランドワインの人気が上昇していることを知っていますか?
ニュージーランドのワイン輸出額は2010年からの10年間で約2倍になり、年間の輸出額は20億ドルを超えました。
日本でもニュージーランドワインの人気は高まっており、ワインショップでおすすめ商品として紹介されるニュージーランドワインの銘柄も少なくありません。
本記事では、ニュージーランドワインの歴史と主な産地と特徴、おすすめのニュージーランドワインを紹介しています。
ニュージーランドワインの歴史と特徴
ニュージーランドでのワイン生産の歴史は新しいですが、品質の高さや求め安さから人気が高まっています。
本章では、ニュージーランドワインの歴史と特徴を解説します。
19世紀にワイン生産を開始

ニュージーランドでワイン生産が始まったのは、19世紀のことです。
1819年に、英国人宣教師サミュエル・マースデンにより初めてワイン用のブドウ樹が植えられました。
実際にワイン造りが始まったのはニュージーランド自治領となった1852年といわれており、北島各地でワイン生産が広まりました。
近代的かつ大きな産業としてワイン生産が本格化したのはオーストラリア資本が入ってきた1970年代といわれており、現在はワイン生産量16位にまで成長を遂げました。

白ワインが中心

ニュージーランドでは白ワイン6:赤ワイン:1の比率で造られていることからもわかるように、特に白ワインの生産が盛んな国です。
白ワイン用ブドウ品種の中ではソーヴィニヨン・ブランの栽培面積が突出しています。
ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは1970年代に注目を浴びてから栽培面積を広げ、現在ではワイン用ブドウ全体の約50%を占めているともいわれています。

スクリューキャップが99%以上

ニュージーランドのボトルワインの99%以上にスクリューキャップが採用されています。
ニュージーランドに先駆けてスクリューキャップの積極採用を始めたのはオーストラリアの生産者でした。
ワイン新興国であるオーストラリアでは、良質なコルクを手に入れるのが難しかったためスクリューキャップの使用を推進し、ニュージーランドもそれに続いた形となります。

コルクを利用したワインのほうが高級感を感じますが、スクリューキャップのワインはコルクの乾燥を防ぐ必要がないため立てて保存できるなどのメリットもあります。

ニュージーランドの主なワイン産地と特徴
ニュージーランドの主なワイン産地とその特徴を解説します。
- ノースランド地方
- オークランド地方
- マールボロ地方
- カンタベリー地方
ノースランド地方
ニュージーランドで初めてワイン用ブドウが植えられたノースランド地方は、ニュージーランドワインの故郷としても知られる土地です。
亜熱帯性気候に属するためワイン生産に向いた風土とはいえませんが、ニュージーランドで初めてワイン用ブドウが植えられワイン造りが始まったことから、ニュージーランドワインを語る上では外せません。
ノースランド地方には小規模なワイナリーが多く、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノタージュなどの品種によるワインが生産されています。
オークランド地方
オークランドはニュージーランド最大の都市で、かつてはニュージーランドの首都でもありました。
オークランドにはニュージーランド全体の人口の3割強が居住しており、そのうちの40%が海外出身者というグローバル都市でもあります。
クロアチアからの移民によりワイン産業が本格化した場所でもあり、現在ではこの地に本社を構えるニュージーランドの大手ワイナリーも多数存在します。
オークランドは比較的温暖なため、長期熟成も可能なしっかりとした味わいのボルドーブレンドワインが有名です。
主な品種としてはメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラー、シャルドネ、ピノ・グリなどが挙げられます。
マールボロ地方
マールボロ地方はニュージーランドワインを語る上で非常に重要な土地です。
ニュージーランドワインといえばソーヴィニヨン・ブランが有名ですが、そのソーヴィニヨン・ブランの代表的な産地がマールボロ地方になります。
マールボロ地方は名産地であるだけでなく、その生産量はニュージーランドワイン全体の7割以上を占めています。
マールボロ地方ではソーヴィニヨン・ブランを中心にピノ・ノワール、シャルドネ、リースリング、ピノ・グリなどのワイン用ブドウ品種が栽培されています。
ちなみに筆者の好きなソーヴィニヨン・ブランもマールボロ地方のもので、フルーティですっきりとした味わいが飲みやすく気に入っています。

カンタベリー地方
カンタベリー地方は、国内最大の平野を持つ冷涼な気候が特徴のワイン産地です。
カンタベリー地方では冷涼な気候を生かしてピノ・ノワールやリースリングを用いたワインを中心に生産しており、その品質の高さは世界的にも注目されています。
カンタベリー地方のうち重要なのが南島の最大都市「クライストチャーチ」からのアクセスにも優れる「ワイパラ」という地域です。
多彩な土壌を持つワイパラと、産地によって味が変化しやすいリースリングの相性は抜群で、国際的にも高い評価を得ています。
おすすめのニュージーランドワイン
おすすめのニュージーランドワインを紹介します。
シレーニ・セラーセレクション ソーヴィニヨン・ブラン
シレーニのセラー・セレクション ソーヴィニヨン・ブランは、デイリーワインにおすすめの白ワインです。
ボトル1本2000円の価格ながら、「これぞソーヴィニヨン・ブラン」と言いたくなるほどの果実味と透明感が特徴。
柑橘系の香りと生き生きとした酸味が特徴のバランスの取れたワインです。
味わいも強すぎないことから、日本人の食卓にも合うデイリーワインとしておすすめ。

クラウディベイ ソーヴィニヨン・ブラン
クラウディベイのソーヴィニヨン・ブランです。
マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランを使用したワインで、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを代表する銘柄。
パッションフルーツや若草の香りと、マンダリンオレンジのような果実味が特徴の立地な味わいを楽しめる1本です。
ハカ ソーヴィニヨン・ブラン
マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランを使った白ワインです。
ニュージーランドの伝統的な踊りである「ハカ」の名を冠した、パッケージデザインもポップで鮮やかな1本。
柑橘系とマンゴーのような香りが魅力で、海の幸との相性抜群のワインです。
ブランコット・エステート クラシック ソーヴィニヨン・ブラン
ニュージーランドで最も大きなワイナリーであるブランコット・エステートのソーヴィニヨン・ブラン。
メロンやグレープフルーツのような果実味あふれる香りと、スパイシーでキレの良い酸味が特徴のバランスの取れた1本。
ドッグ・ポイント・ヴィンヤード・ソーヴィニヨン・ブラン
ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのソーヴィニヨン・ブランです。
かつてクラウディ・ベイのブドウを栽培していたメンバーにより作られたドッグポイントによるソーヴィニヨン・ブラン。
甘い香りと柑橘系を思わせる苦味と酸味を楽しめる、すっきりとした味わいの1本。
シレーニ・セラーセレクション ピノ・ノワール
日本一の販売量を誇るシレーニ・エステートのピノ・ノワールです。
フルーティな香りとフレッシュな味わいを楽しめる赤ワインで、軽めなので日常酒にもぴったり。
甘み、渋みともに控えめでバランスが取れているので和食にも合わせやすい味に感じました。
ニュージーランドワインの歴史と特徴 まとめ
本記事ではニュージーランドワインの歴史と、主な産地とその特徴、おすすめのニュージーランドワインを紹介しました。
「ニュージーランドワインといえばソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワール」といわれるほどニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールは定番化しています。
ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールはもちろん、それ以外のニュージーランドワインを見かけたら「ちょっと珍しい」と思って飲んでみるのも楽しいかもしれません。
